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teardrop

第6章 6滴

秋だというのに昼間はまだ暑く、藤沢は冷えた飲み物を買ってきて松本に渡す。

松本は少し休憩する事にした。

喉の渇きを癒して一息つくと「あのさぁ…宿題を燃やしたのって、もしかしたらトーカちゃんのためだったの?」と話を切り出す。

藤沢はジュースを吹き出しそうになってムセた。

「考えたらトーカちゃん…せっかく学校来ても一人だけ何も提出できないワケじゃん」

「いきなり何言い出して…別に、アイツの事なんか関係ないだろ!…俺が面倒臭いと思っただけだし」

まだ少しムセながら言い返す藤沢を見て、松本は『わかりやすい奴…』と思って笑った。

「俺にどうこう言うより、マツの方が望月を気にしてんだろ!大した用もねーくせにアイツのとこばっか行くじゃねーか」

「うん、まぁね。学校で困ったり寂しい思いしないようにって…体調も気になるし」

「何だそれ…本当は望月の事が好きなんじゃねーの?」

怪しむ藤沢にそう言われて松本は真剣に考えた。

「う〜ん…確かにトーカちゃんは気になる存在だけど…そんな風に意識した事はないんだよなぁ。前にも言ったけど俺、今は恋愛より友達が大事だからさ」

松本は再びスクーターを磨きながら話を続けた。

「今じゃ、トーカちゃんも俺の友達だと思ってるからさ。もちろんトーカちゃんだけじゃなく、藤沢もナリ君も俺にとったら大事な友達だよ。友達を気にするのは当たり前だろ」

藤沢は黙って聞いていたが、急に鼻で笑いながら『マツらしいな…』と思った。

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