テキストサイズ

teardrop

第6章 6滴

機嫌が悪い藤沢は松本に対して「お前が俺を待たせ過ぎっから悪いんだ!」と喧嘩口調で怒鳴り付ける。

「何、怒ってんだよ…机もこんな事して。駄々っ子って歳じゃねーだろ…もぅ…」

また溜め息をつく。

松本が直したばかりの机を藤沢が蹴ろうとした瞬間。

「あ、あの…松本君は悪くないの…私が…」

突然聞こえたその声に、藤沢の動きが止まる。

教室の入口で透花が少し怯えながら立っていた。

透花は教室に入ってくると松本と一緒に机を直そうとする。

「トーカちゃんは体調悪いんだから、やらなくていいよ。俺がやるし…つか、藤沢が手伝えよ」

「嫌だ!面倒臭ぇ…マツが一人で直せ!」

「藤沢君、ごめんね…松本君は保健室にいた私についてくれてたの。でも私…なかなか体調良くならなくて…だから藤沢君を待たせたのは私のせいだから…」

松本が止めても透花は机を直そうとしていた。

そんな透花を見て、藤沢は立ち上がると自分が座ってた椅子に透花を強引に座らせて、不貞腐れた顔で黙ったまま手伝いだした。

机を元に戻し終えると松本は「ハイ!良く出来ました」と藤沢に言った。

「うるせっ!糞マツ!」

藤沢の怒鳴り声に、また透花が怯えて身構える。

松本は透花に向かって「大丈夫。口は悪いけど、根は良い奴なんだ」と笑って言った。

「ん…わかってる」

透花はそう言うと深呼吸をする。

「実は私ね…昔から男の人の怒鳴り声が凄く苦手で…だから、過剰に反応しちゃって…」

藤沢は八つ当たりしてた事を人知れず、反省した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ