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teardrop

第6章 6滴

透花はもう一度深呼吸すると、ゆっくり笑みを浮かべる。

「でも、私…怒鳴り声にはビックリしちゃうけど、藤沢君を悪い人とか怖いなんて思ってないよ。まだよく知らないけど、きっと良い人だと思う」

松本は一瞬、間を置くと「……だってさ。良かったな、藤沢」と言いながらポンと藤沢の背中を叩く。

そして透花に向かい「そう。藤沢って本当に良い奴なんだよね〜」と教える。

藤沢はポカーンとした顔をして透花を見ていた。

急に「何…何言ってんだ!お前ら、馬鹿か!…んな事より片付いたし、さっさと帰るぞ」と動揺を隠しながら帰り支度をする。

「藤沢…照れてるのか?」

余計な一言を言った松本は即座に藤沢から顔を掴まれ、ギブアップ宣言をする。

「前言撤回!藤沢は凶暴な危険人物だ」

藤沢の手が再び松本の顔へ襲いかかろうとするのを真剣白羽取りのように防ぐ松本。

さっきまでの苛立ちや怒りはいつの間にか消えていた藤沢はいつもの様子に戻ってた。


三人で帰ってる途中で、透花は昼休みから保健室へ行くまでの記憶が消えてる事に気付く。

どうしても思い出せない。

最近、同じような事が時々ある。

目が覚めれば必ず激しい頭痛がしていて、記憶が途切れてたり、曖昧だ。

しかし、環境の変化や、体や精神面の不調が関係してるのだろうとあまり深くは考えない。

ボーッとしてると、松本が「まだ具合悪い?大丈夫?」と透花に声をかける。

透花は「ううん。少し考え事をしてただけ。体調はもう大丈夫。色々、気にかけてくれてありがとう」と笑顔で応えた。

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