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teardrop

第3章 3滴

いつもなら、こんな話も聞き流せた。

けど、今の透花は学校でのストレスで気持ちに余裕がない状態だった。

「聞いてるの?透花?」

母の問いに透花は突然、大きな声を出す。

「うるさいっ!!」

そう叫ぶと手元のグラスを投げつけた。

グラスは透花の思いや心のように、母には当たる事無く床で砕け散る。

「何するの!?危ないじゃない!!」


透花は「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」と言いながら、母親の声をかき消すように何度も繰り返し叫んだ。

そして、周りの物を滅茶苦茶にかき回し、手当たり次第母親へと投げつける。

「やめなさいっ!透花っ!いい加減にしなさい!やめてっ!」

目頭が熱くなりながら、透花は叫び続けた。

「うるさい!うるさい!ママなんて…ママなんてっ!!」

母はソファの後ろへと逃げたが、グラスの破片を踏んでしまい、足から血が出ていた。

透花は母の声が聞こえなくなると息を切らして滅茶苦茶になったリビングを見渡す。

そして自分の部屋へ駆け込み、布団を被って泣いた。

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