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teardrop

第3章 3滴

透花は走った。

走りながら走馬灯のように駆け巡り出す過去の記憶。

あんな家…
あんな環境…
あんな父親…
あんな母親…
あんな妹…
全部嫌い…
大っ嫌い!

今まで考えないようにしてきた思いが次々と溢れ出してきて止まらない。

いつもなら気持ちを麻痺させる事で乗り切ってきた。

少しの間、我慢すればいいだけだと思ってた。

けれど、今の透花には冷静な判断ができる余裕なんて無かった。

沸き上がる感情のまま、突き動かされる衝動の抑えが利かない。

記憶や感情等、頭の中は滅茶苦茶で整理が出来ずにいる。

透花はただひたすら、何も考えられなくなるまで走って走って、苦しくなっても走り続けた。


やがて頭の中は真っ白になり、息がきれて全身から力が抜ける。

走れなくなった透花はその場に崩れた。

透花の目から涙がこぼれ落ちる。

呼吸が整うと、立ち上がってゆっくり歩き出した。

宛もなく線路沿いを進んだ透花は途中で駅を見つけると、終点までの切符を買って電車に乗った。

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