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teardrop

第3章 3滴

辺りは暗くなっていた。

透花はとりあえず終点までの切符を買っていたが、昼夜栄えてる終点の繁華街へ出る手前の駅で降りる。

咄嗟の判断だった。

夜の繁華街を一晩中、一人でフラフラしてれば補導されて、家に帰されるかもしれない。

今はとにかく家には絶対に戻りたくないと透花は思っていた。

駅を出て少し歩くと、すぐに交番が目に入る。

透花は交番を避け、脇道に入ると民家ばかりの複雑な道を進んだ。

元から行く宛てなんてないから知らない道でも別に迷ってるわけでない。

とにかく適当に歩いていた。

民家を抜けると少し明るい道に出た。

夜も遅いというのに車の交通量もあり、まだ疎らに人は歩いている。

様々なお店の看板の明かりもついていた。

透花が住む小さな町では昼間はそこそこ栄えていても、夜になると辺りは暗くて外を歩いてる人はほとんどいない。

車もあまり通っておらず、お店なんかはコンビニ以外は大体閉まってる。

ここは透花が知る夜とはまるで違った。

全てが物珍しく感じる透花は何だか少し心細くも感じ始める。

コンビニの前を通り過ぎようとした時、店内から出てきた男が透花の方へ向かってきた。

そして「おいっ!」と、後ろから突然声をかけられた。

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