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teardrop

第3章 3滴

「薄情なんかじゃなくて、マツの場合は家出って成立してねーだろ。一日くらい帰らずにいれねーの?」

藤沢が松本にそう言うと松本は堂々と答えた。

「無理!俺は絶賛、育ち盛り中だからな。腹が減るもんは仕方ない」

透花は黙ったまま暫く藤沢と松本のやり取りを見てた。

「飯くらい、我慢すれよ。それか自分で買って食えばいーんじゃねーの?」

「バカだなぁ…母ちゃんの飯は激ウマなんだぜ。育ち盛りな俺には必要不可欠だろ!」

馬鹿と言われた事で眉をしかめた藤沢、

その表情に気付いた透花は少しハラハラしながら様子を見る。

「ああ!?馬鹿はお前だっつーの!じゃあ、家出なんてすんなよ!」

怒ってるような強めの口調で言う藤沢の声に、透花は少し身がすくんだ。

しかし松本は平然としていて、マイペースに話す。

「う〜ん…でもさぁ、それでも親にムカついたり喧嘩する時もあるんだよね。だから腹立って、つい家出したくなっちゃう事もあるんだよなぁ…」

松本を見ながら藤沢は急に呆れて脱力すると鼻で笑った。

「お前さぁ…腹立って家出しても腹減ったら家に帰るんだろ?なら、家出した意味ねーじゃん」

透花はそんな二人の様子を見て、少し緊張感が緩んだ。

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