テキストサイズ

teardrop

第4章 4滴

松本の話を聞いてから更につまらなさそうな藤沢に、成宮が「陽斗、もう16歳なるだろ!原付きの免許でも取りに行けば?」と提案した。

藤沢は成宮の言葉を聞いて「お、いいなソレ!」と答える。

松本はスクーターの話で盛り上がってる二人を見ながら何となく考え事をしていた。

真紀のグループの子達が階段で話してたのを聞いてしまった日から、あの話がずーっと頭に残っていて気になっている。

そんな話を聞く以前から、松本はもう一つ気になってる事があった。

透花が家出した日、松本の家の洗面所で見た光景を思い出す。

あの時、タオルを透花に渡そうと持っていった松本は服の袖を捲って顔をすすいでた透花の腕に怪我やアザがあったのが強く印象に残っていた。

真紀のグループ達の話と透花の怪我。

辻褄が合っていて、透花が袋叩きあった事の次第さを思わされる。

あの日以来、透花の姿を見ていない。

『朝に駅まで見送った時に、何か少しでも話を聞いてあげればよかったかもしれない』

松本は自分が透花の怪我に気付いてたのに見てないふりをしてしまった事に、何だかモヤモヤとした気持ちを覚える。

『トーカちゃん…今、どこで何をしてるんだろう?』

そんな事をぼんやり思いながら、どうする事もできず頭の隅に置く。

そして気持ちを切り替えて藤沢に「俺も、一緒に原付き取りにいこうかな」と言って話に加わった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ