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teardrop

第4章 4滴

祖母の家に透花が来てから一ヶ月近く経とうとしてた頃。

透花は酷く体調を崩し、救急車で病院へ運ばれた。

閉めきった部屋に閉じ籠り、食事もあまり摂っていなかった透花は熱中症と栄養不足による衰弱で入院した。

祖母が付き添いながら涙ぐんでいた。

そんな姿を見て透花は申し訳なく感じ、力ない声で祖母に謝る。

そして、これからはご飯をちゃんと食べる約束をした。


「ねぇ、透花は山荷葉って知ってる?」

祖母は何気なく透花に聞いた。

「サンカ…ヨウ?」

「そう。山荷葉は山で自生している白くて小さな花の名前よ」

黙って祖母の話を聞く透花。

「その花はね、厳しい環境の中で雨や風に傷められても耐え抜いてね…透明の花になるの」

透花が少し目を見開いて「透明な…花?」と聞く。

「小さくても傷ついても、どの花にも負けない綺麗な花になるのよ…透花の名前は私がその山荷葉からつけたの」

透明な花があるなんて思いもよらない話と自分の名前の由来を初めて知った透花は少しの間、小さな衝撃を受けた気持ちになった。

「山荷葉かぁ…見てみたいな…透明な花…」

そう言うと微笑んで、透花は静かに眠りについた。

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