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teardrop

第4章 4滴

入院中に祖母が薄くて小さな古いアルバムを一冊持ってきた。

そのアルバムを開くとガラス細工のように透明な山荷葉の写真がある。

写真を撮るのが好きだった祖父が生前に撮った物だと懐かしそうに祖母が話す。

透花は『本当に綺麗』と思った。

「神秘的よね…ねぇ透花。おばあちゃんは透花もこの花のように今は辛くても必ず負けない子になると信じてるわよ」

優しく言う祖母の言葉に透花はとても小さく頷いた。

退院は一週間後だった。

退院後、透花は食は細くもちゃんとご飯を食べるようになった。

陽射しが弱くなる頃に近所を散歩もするようにもなる。

祖母を少しでも安心させたい気持ちから元気になろうとしていた。

散歩の途中で時々、本屋に寄ったりしながら植物図鑑で山荷葉を調べたりした。

大きな葉は蓮の葉に似てるが、花は小さくて少し不恰好にも見える。

図鑑には透明な花になっている写真はあまりなかったが透花は山荷葉が気に入ってた。

体調が少しづつ回復してきた透花。

だけど、時々フッと学校の事が頭によぎると暗い気持ちになる。

新学期が一日一日と確実に迫ってるが、学校の問題は何も解決してない事に変わりはない。

けれど、今はまだそんな事は考えたくなくて出来る限り気を紛らせようとした。

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