テキストサイズ

teardrop

第4章 4滴

透花も思い出して、驚いた顔になる。

「何で?松本君が…それを!?」

松本は歯切れ悪く答えた。

「や…ほら…顔を洗ってて…。タオル渡す時に…袖をあげてたから、見えちゃったんだよね…アザとか傷とか…」

少し、間を置いて透花は無理に作り笑いをして静かに答えた。

「そう…でも大した怪我じゃないよ」

藤沢は話がよく把握できない。

「怪我なんてしてたか?家出の時?…俺、気付かなかったぞ。…なんで?」

「…何でって?」

「いや、だから何で怪我してたんだ?って聞いてんの!」

松本は間に入るように「詳しく聞かんでも…」と止めに入った。

「気になんだろ。あれから結構、経ってんだぜ?マツが気にするような怪我してたんだろ?」

無意識にしろ、単なる好奇心から聞いてるにしろ鋭い指摘をする藤沢。

本当は松本も、透花の怪我の真相を知りたいと思っていた。

透花は返答に困る。

「だから、怪我は別にそんな…」

「怪我で学校休んでたんじゃねーの?あの家出の後から来てなかっただろ」

学校に行かなくなったのは怪我が直接の原因ではないが、藤沢が何かを知っていて透花にカマをかけて聞き出そうとしてるようにも感じる。

透花は下手に答えられず、黙ってしまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ