テキストサイズ

捨て犬

第20章 涙出てきちゃいました

「あらあら
カズマくんどうしたの?
泣いちゃったりしてぇ」


「あ~
おもしろすぎて
涙出てきちゃいました
なんか、すんません」


俺は
必死で言い訳をしながら
涙を拭った

けど
拭っても拭っても
なんだか
涙が溢れてきて
止まらねぇ

そのうち鼻水まで出てきて
髭が大変なことになりそうだ


「ちょっと、やだ〜
カズマくん控え室行って
鼻かんできなさい
エミちゃん!
一緒に行って
髭、直してあげて?」


おばさんに背中をおされて
エミが俺の目の前に
飛び出してきた


その時思ったんだ

おばさんは
俺が泣いてしまった理由を
分かってたのかもしれないって


ストーリーメニュー

TOPTOPへ