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捨て犬

第9章 殴らないで

「さっきのヤツの部屋に
泊まったことあんのかよ」


駅前は人も多い
大声は出さないように
気を付け
俺は低い声で問いただした


「・・・・うん・・」


「はぁー・・・・」



なんだか
無性に腹が立った

エミが
そーゆーこと
してたって
知ってたし

俺だってエミを
連れて帰ったんだし

人のこと
どうこう
言える立場じゃねーし



でも
くっそ!

イライラが止まんねぇ!



俺、今日のこと
すっげー楽しみにしてたのに

エミを連れていく店とか
いっぱい悩んで
色々探して
さっきまで超楽しかったのに




なんなんだよっ!!





俺は
悲しそうな顔をする
エミの腕をつかんで
歩き出していた



イラついてるから
すげー早足で

エミが必死でついてきてるの
わかってるけど
もう、気持ちコントロールできなくて

エミの腕を
ぎゅうって握って
振り向きもせずに歩いていた







そして


駅裏の

人通りの少ない場所にある

ホテルに





エミをひっぱりこんだんだ





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