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捨て犬

第9章 殴らないで

俺は
掴んでた手首から手を放し
まるで腰が抜けたように
ベットからおりて
床に座り込んだ


そして
ポケットから
煙草をとり出して
一本咥え

火もつけずに
ベットにもたれながら
天井を見上げた


あ・・


天井の鏡には
ベットの上のエミ



エミは


いつものように
膝をかかえ

身体を丸くして
うずくまっていた




まるで



汚れた


捨て犬のように








なぜだろう・・・・









俺の目から



涙がこぼれた



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