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捨て犬

第10章 したいよ・・・エミ

「んじゃ、して?」


せっかくだから
してもらおうか


エミからしてもらうなんて


初めてだから


俺のお願いに
小さく頷いたエミは
ゆっくりと俺に近づきながら
顔を傾け

そして

音もしないような
唇を合わすだけの
キスをした


そんなんじゃ
ものたんねぇ


エミが俺からはなれる途中で
身体を抱き寄せ
今度は俺から

深い

キスをした


好きだから
なんでもするんだって
言ってくんねぇかな・・

俺のことが
好きだから

恥ずかしくても
やるんだって


言ってくんねーかな・・・



「エミ
これ以上やったら
勃っちゃうから
飯、食おうか」


「う、うん」


うんって言ったのに
エミは
並んだ料理を
ジロジロ見ているだけで
食べようとしない


「どした?食べないのか?
これ嫌いだったか?」


「これ…何?」


「ん~肉、とか」


「美味しい?」


食べたことねーんだ

どれも


「どれも旨いよ。
だめだったら残してもいーから
ちょっとずつ食べてみろよ」


「う、うん…」


仕方ねぇ

なかなか手を出さないエミに
俺は少しずつ
食わせてみることにした


「ほら、あ~んしてみ?」


口元まで食べ物を運ぶと
エミは警戒してんのか
小さく口を開け

やっと
もぐもぐとし始めた




ちょっと
いい顔してる


「うまいか?」


「うん」


顔を大きく立てに振ってるエミは
笑ってる証拠



良かった



それからエミは
俺が口元に運んでやる食べ物を
嬉しそうに食べ続けていた

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