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果てない空の向こう側【ARS】

第8章 握る(雅紀)

母「大切な娘さんに、うちの馬鹿息子が申し訳ありません!」

母さんが、いきなりソファから下りて土下座をした。

雅「か、母さん!」

俺もあわてて母さんと一緒に土下座をした。

母「ただ、雅紀は本当にミッチャンが好きで…。 どうかふたりの結婚を許してください!」

雅「お、俺、男の責任として、ミッチャンと赤ちゃんを守ります!」

母さんと俺は、額を床につけて、ひたすら頭を下げた。

横を見ると、ミッチャンも一緒に頭を下げていた。

ミ母「五十嵐さん、雅紀くん、頭をあげて。」

おばさんが、俺たちの肩を抱いて起こしてくれた。

ミ父「雅紀くんが、いい青年だということは充分わかっているつもりだ。ただ聞きたいのは、なぜ、娘と結婚するつもりになったかということだ。」

おじさんは、厳しい顔で俺に問うた。

雅「そりゃあ、赤ちゃんができて…。男の責任を果たさないと…。」

俺が話し出すと、いきなりミッチャンが泣き出した。

ミ「責任責任って…! 雅紀くん、そればっかり!」

雅「え、ミ、ミッチャン!?」

ミッチャンは立ち上がると、自分の部屋に駆け込んでしまった。

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