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果てない空の向こう側【ARS】

第2章 長男・智(ゲージツ家)

目が覚めると、昼過ぎだった。


俺はポリポリと頭を掻くと、部屋にある学習机の前に座った。


俺が小学校に入学するときに父ちゃんが買ってくれた学習机。


その上に広げた作業中のものたち。


俺は、そのうちのひとつを手に取り、ヤスリで磨き始めた。


銀粘土で作るオリジナルのアクセサリー。


俺はこれを作って売って、糊口をしのいでいる。


定職にはついていない。


美大を卒業したとき、そのまま専攻の彫刻で作家として活動することを夢見た。


しかし、学生あがりの何の実績もない若造が食っていけるはずもなく。


ゲージツ家という名の家事手伝いをして暮らしている。


銀のアクセサリーは、友達が経営するセレクトショップに置かせてもらってる。


あと、ネットで販売したり。


どっちにしても、大した稼ぎにはならない。

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