果てない空の向こう側【ARS】
第8章 握る(雅紀)
翔兄がスマホで音楽を鳴らし始めた。
ワーグナーの結婚行進曲だ。
スマホのボリュームいっぱいに鳴らすと、宴会場のドアを開けて、中に入った。
翔兄の先導に続いて俺が、次にミッチャンが入場した。
翔兄が、ゆっくりゆっくりと歩みを進め、お義父さんの前に来た。
訳が分からず混乱しているお義父さんの手を取り、ミッチャンのもとに導いた。
お義父さんは花嫁姿のミッチャンを見て、目を赤くした。
ミッチャンはお義父さんの腕に手を回した。
そこから、ミッチャンとお義父さんは翔兄の先導のもと宴会場を一周した。
そして、一番奥に設けられた雛壇で待つ俺のもとに到着した時には、お義父さんの顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
本当はこんなサプライズじゃなくてきちんとした結婚式をするべきなんだけど。
ミッチャンの体調や出産してからのことを考えると、それはいつになるかわからない。
だから、花嫁姿だけでも見せてあげたかったんだ。
お義父さんは俺の前に来ると黙って俺の肩をポンとたたいて、ミッチャンの手をとり俺に差し出した。
俺は黙ってうなずくと、ミッチャンの手を受け取った。
ワーグナーの結婚行進曲だ。
スマホのボリュームいっぱいに鳴らすと、宴会場のドアを開けて、中に入った。
翔兄の先導に続いて俺が、次にミッチャンが入場した。
翔兄が、ゆっくりゆっくりと歩みを進め、お義父さんの前に来た。
訳が分からず混乱しているお義父さんの手を取り、ミッチャンのもとに導いた。
お義父さんは花嫁姿のミッチャンを見て、目を赤くした。
ミッチャンはお義父さんの腕に手を回した。
そこから、ミッチャンとお義父さんは翔兄の先導のもと宴会場を一周した。
そして、一番奥に設けられた雛壇で待つ俺のもとに到着した時には、お義父さんの顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。
本当はこんなサプライズじゃなくてきちんとした結婚式をするべきなんだけど。
ミッチャンの体調や出産してからのことを考えると、それはいつになるかわからない。
だから、花嫁姿だけでも見せてあげたかったんだ。
お義父さんは俺の前に来ると黙って俺の肩をポンとたたいて、ミッチャンの手をとり俺に差し出した。
俺は黙ってうなずくと、ミッチャンの手を受け取った。