果てない空の向こう側【ARS】
第8章 握る(雅紀)
帰りのタクシーの中、ミッチャンが俺の肩に頭を預けてきた。
雅「疲れた?」
ミ「ちょっとね…。」
俺は、ミッチャンの手を握った。
家に着いたら、和也がくれた似顔絵をリビングに飾った。
智兄にもらったリングを外そうとして、やめた。
俺は料理人だから、仕事の時はリングはできない。
明日からはまた仕事だから、どのみち外さないといけない。
でも、今夜だけはこの繊細な美しいデザインのリングをミッチャンと共につけていたい。
永遠の愛のしるしを。
ミ「ふう。」
ミッチャンが、クッションに座った。
雅「ミッチャン疲れてるんだから、お風呂入って休んだら?」
ミ「うん、ちょっと休憩したらね。」
ミッチャンは、お腹をなでながら壁にもたれて座っている。
ミ「あ、赤ちゃんが動いた!」
ミッチャンが大きな声をあげた。
雅「え、ほんと!?」
俺はあわててミッチャンのお腹をなでた。
ミッチャンのお腹が、ポコポコと動いている。
雅「わぁ、動いてる…!」
以前からお腹の赤ちゃんは動いてはいたみたいだけど、俺はその場に居合わせるのは初めてだった。
雅「ほんとだ…、赤ちゃん、動いてる…。」
俺は赤ちゃんの命を手のひらで感じていた。
ミッチャンと、赤ちゃんを、俺は絶対に守る。
男だからとか、責任があるとか、そんなことはもう頭になかった。
大切だから。
愛おしくてたまらないから。
そばにいてほしいから。
だから、俺は何が何でもミッチャンと赤ちゃんを守るんだ。
ミ「やだ、雅紀くん、泣いてるの?」
いつの間にかボロボロとこぼれていた涙を、ミッチャンがゴシゴシふいてくれた。
俺は、ミッチャンを抱きしめた。
似顔絵の中の配管工とお姫様が、静かに俺たちを見つめていた。
【握る・雅紀】
雅「疲れた?」
ミ「ちょっとね…。」
俺は、ミッチャンの手を握った。
家に着いたら、和也がくれた似顔絵をリビングに飾った。
智兄にもらったリングを外そうとして、やめた。
俺は料理人だから、仕事の時はリングはできない。
明日からはまた仕事だから、どのみち外さないといけない。
でも、今夜だけはこの繊細な美しいデザインのリングをミッチャンと共につけていたい。
永遠の愛のしるしを。
ミ「ふう。」
ミッチャンが、クッションに座った。
雅「ミッチャン疲れてるんだから、お風呂入って休んだら?」
ミ「うん、ちょっと休憩したらね。」
ミッチャンは、お腹をなでながら壁にもたれて座っている。
ミ「あ、赤ちゃんが動いた!」
ミッチャンが大きな声をあげた。
雅「え、ほんと!?」
俺はあわててミッチャンのお腹をなでた。
ミッチャンのお腹が、ポコポコと動いている。
雅「わぁ、動いてる…!」
以前からお腹の赤ちゃんは動いてはいたみたいだけど、俺はその場に居合わせるのは初めてだった。
雅「ほんとだ…、赤ちゃん、動いてる…。」
俺は赤ちゃんの命を手のひらで感じていた。
ミッチャンと、赤ちゃんを、俺は絶対に守る。
男だからとか、責任があるとか、そんなことはもう頭になかった。
大切だから。
愛おしくてたまらないから。
そばにいてほしいから。
だから、俺は何が何でもミッチャンと赤ちゃんを守るんだ。
ミ「やだ、雅紀くん、泣いてるの?」
いつの間にかボロボロとこぼれていた涙を、ミッチャンがゴシゴシふいてくれた。
俺は、ミッチャンを抱きしめた。
似顔絵の中の配管工とお姫様が、静かに俺たちを見つめていた。
【握る・雅紀】