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果てない空の向こう側【ARS】

第8章 握る(雅紀)

宴もたけなわ、俺は智兄が作ってくれたリングをながめた。

リングはねじれたデザインで、その曲線が美しかった。

リングに見惚れてると、智兄が話しかけてきた。

智「メビウスの輪だよ。永遠の愛…みたいな? でも、雅紀、ちゃんとしたいいやつ買ってあげろよ? 金とかプラチナとか。」

実はまだマリッジリングどころか、エンゲージリングも買ってなかった。

何回か店には行ったんだけど、気にいるものが見つからなくて。

ミ「智兄さん、素敵な指輪をありがとう…! 大切にします。 」

雅「智兄、サンキュ…。最高のマリッジリングだよ。」

智「よせやい…。」

ミッチャンと、笑いながらリングをながめた。

向こうのテーブルに座る母さんは、終始笑顔だった。

久しぶりに兄弟がそろったのも嬉しかったようだ。

なごやかな中、最後お義父さんと母さんにあいさつをもらって、食事会は終了した。

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