テキストサイズ

果てない空の向こう側【ARS】

第9章 ベトナムの空の下へ(翔)

智潤母「ベトナム赴任!?」

翔「ああ、正式に辞令が出たよ。来月出発するから。」

潤「な、何だよ! この前まで、ベトナムには行かないって言ってたじゃん!」

潤が立ち上がって俺の胸ぐらにつかみかかった。

俺は潤の手を払いのけると、ネクタイをゆるめ冷蔵庫からビールを出した。

翔「確かに俺は現地に行く予定はなかったさ。でも、志願したんだよ。」

俺はダイニングテーブルの椅子に座ると、ビールのプルタブを引いた。

潤「何でだよ! 何でわざわざ翔兄がベトナムに行く必要があるんだよ! ベトナム語だって話せないのに!」

智「潤、落ち着け。」

智兄が、興奮している潤をなだめて座らせた。

母「でも、何で急に気が変わったのよ?」

母さんが、不思議そうに聞いた。

翔「んー、何となく…、かな?」

潤「何だよそれ! 何となく、でベトナムまで行っちまうのかよ!」

智「だから、潤。落ち着け。もう風呂入って寝ろ。」

智兄が暴れる潤の背中を押して、居間から出て行った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ