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果てない空の向こう側【ARS】

第9章 ベトナムの空の下へ(翔)

その声を聞きつけて、店の中から店員が出てきた。

山口「五十嵐のお兄さん?」

女性店員もゾロゾロと出てきた。

翔「潤の兄です。弟がいつもお世話になっております。」

俺はニコリと笑うとペコリと頭を下げた。

女性店員たちから、キャーと悲鳴がわいた。

山口「弟もイケメンなら、お兄さんも超イケメンなんですね。」

潤「そうなんですよ、兄貴は難関大学を出て、一流商社に勤めてて、今度は海外支店の立ち上げを任されてるんだ。最高にイカしてるんだよ…イテッ!」

潤が興奮気味に俺の自慢話を始めたので、俺はこっそり潤のケツの肉をひねりあげた。

山口「せっかくお兄さんが迎えに来てくれたんだ。五十嵐、今日は帰っていいよ。そのかわり、明日の朝は準備頼むな。」

潤「わかりました!」

潤はバタバタと帰り支度をして店から転がるように出てきた。

潤「でも、何で翔兄が迎えに来てくれたの? いつから待ってたの?」

翔「ラーメン食って帰るぞ。」

俺は潤の問いかけは無視して、たまに行くラーメン屋に足を向けた。

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