
果てない空の向こう側【ARS】
第9章 ベトナムの空の下へ(翔)
母「それと、潤のことだけど…。あの子には、きちんと話をつけてから行きなさいね。潤はあんたに特別なついてるから。」
翔「わかってるよ…。」
潤はなぜだか、小さい頃から俺の後ばかりついてまわった。
怖いテレビを見たと言っては俺のベッドにもぐり込んできたり、俺の部活のサッカー部の試合があるといえば必ず見に来た。
人一倍大きな声で俺を応援するのが、正直ウザかったけど…。
神谷バーを出ると、もう日は暮れていた。
母さんとはそこで別れて、俺は原宿に向かった。
原宿のにぎやかな通りに面する美容院。
俺はその前の植え込みに腰をかけ、煙草に火を点けた。
行き交う人々は着飾って、時々ビックリするような奇抜なファッションに身を包んだ人もいた。
これが、世界共通語にもなった『kawaii(カワイイ)』の本場か。
そんな街の様子を、ただぼんやりとながめていた。
いつまでそうやっていたんだろう。
店の前に出してあった看板を片付けに、美容院の店員が出てきた。
潤「あれ、え、翔兄!? なんでここに!?」
潤は、俺の姿を見るなり驚いて叫んだ。
翔「わかってるよ…。」
潤はなぜだか、小さい頃から俺の後ばかりついてまわった。
怖いテレビを見たと言っては俺のベッドにもぐり込んできたり、俺の部活のサッカー部の試合があるといえば必ず見に来た。
人一倍大きな声で俺を応援するのが、正直ウザかったけど…。
神谷バーを出ると、もう日は暮れていた。
母さんとはそこで別れて、俺は原宿に向かった。
原宿のにぎやかな通りに面する美容院。
俺はその前の植え込みに腰をかけ、煙草に火を点けた。
行き交う人々は着飾って、時々ビックリするような奇抜なファッションに身を包んだ人もいた。
これが、世界共通語にもなった『kawaii(カワイイ)』の本場か。
そんな街の様子を、ただぼんやりとながめていた。
いつまでそうやっていたんだろう。
店の前に出してあった看板を片付けに、美容院の店員が出てきた。
潤「あれ、え、翔兄!? なんでここに!?」
潤は、俺の姿を見るなり驚いて叫んだ。
