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果てない空の向こう側【ARS】

第9章 ベトナムの空の下へ(翔)

和「あのさ、なにやってんのさ。」

その声で、目が覚めた。

和也が、俺の部屋のドアを開けて立っていた。

翔「ほえ?」

和「ほえ、じゃないよ。」

俺は、昨夜のまま、潤と抱きあったまま床で寝ていた。

腕の中では、まだ潤が寝息を立てていた。

和「翔兄と潤って、そういう感じだったの? 次の漫画の題材にしようかなー。」

翔「ち、違うよ! それより、なんでお前がいるんだよ!」

和「城島先生の締め切りが終わったから休みになったんだよ。だから資料を取りに昨日帰って来てたんだよ。」

翔「なんで黙ってたんだよ。」

和「黙ってなんてないよ。昨夜、翔兄と潤が帰って来た時に声かけたけど、ふたりさっさと部屋に入っちゃったし。」

翔「え…、そうなの?」

和「そうだよ。それより、潤起こした方がいいんじゃない? 時間だよ。」

翔「やべ!」

俺は、あわてて潤を揺り起こした。

いつも寝起きが悪い潤が、時計を見て飛び起きた。

潤「今日、早番なのに!」

潤は弾丸のようなスピードでシャワーを浴び、出勤して行った。

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