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果てない空の向こう側【ARS】

第10章 ワンダフル・ワールド(潤)

ジーを押さえつけてキスをしていると、ジーの体がビクビクと震えだした。

唇を離して見てみると、ジーは青い顔をして浅い呼吸をしている。

俺は一瞬ギョッとしたが、すぐに過呼吸だとわかった。

手近にあったコンビニ袋をふくらませてジーの口に当てた。

ジーはほどなくして、落ち着きを取り戻した。

それを見て安堵するとともに、怒りがわき起こってきた。

潤「なんだよ、キスくらいで大げさな! 処女じゃあるまいし!」

その言葉にジーはビクッと体を震わせると、唇を噛んだ。

潤「え、まさか…。」

ジー「その、まさかよ。俗に言う、高齢処女よ。」

ジーは、自分の服の裾をギュッと握って言った。

ジー「高校の時、レスリング部のコーチに部室に呼び出されて襲われそうになったの…。ギリギリで逃げたけど、それから男性との親密な接触がこわくて…。」

ジーは目に涙をいっぱいためていたが、それをこぼさないように必死でこらえているようだった。

潤「でも、ジー強いんだろ? 県大会チャンピオンなのに、なんでそいつをやっつけなかったのさ…?」

ジー「こわくて、体がすくんで、声も出なかった。」

ジーはいっぱいためた涙をポロポロとこぼした。

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