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果てない空の向こう側【ARS】

第2章 長男・智(ゲージツ家)

智「和也起きないわ。」


母「そう、じゃあ二人で食べよっか。」


俺と母ちゃんは向かいあって席についた。


智「いただきます。」


今日の夕飯は、筑前煮とマカロニサラダと味噌汁。


味噌汁の椀には、入れっぱなしの煮干し。


普段は、母ちゃんと和也と俺の三人で夕飯を食う。


母ちゃんが夜勤や、和也がアシスタントの仕事でいない時もあるけど。


翔と潤はいつも遅いから、それぞれ帰って来たら一人で食べてる。


雅紀は店でまかないが出るから、家では食べない。


智「和也、出版社はどうだったんだろな。」


母「さぁ、昼に帰って来たらそのまま部屋に上がって行ったけど。」


智「なんだよ、ひとことくらい結果報告したっていいじゃん…。」


母「智…、あんたには世話かけるね…。」


母ちゃんは、箸をとめた。

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