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果てない空の向こう側【ARS】

第1章 五十嵐家の朝

智「おはよ。」


翔「おはよ、智兄。今日も割烹着似合ってるね。」


一番に起きてきたのは、弟の翔。


わが家の二男だ。


翔はダイニングテーブルに着くと、朝刊を広げた。


智「納豆食う?」


翔「うん。」


俺は、冷蔵庫から納豆やひじきの煮物や切り干し大根、めかぶなどを取り出し、テーブルに並べた。


朝刊の経済欄を難しい顔をして読んでいる翔に、味噌汁と炊きたての飯をよそって渡した。


翔は箸立てから箸を抜き取り、「いただきます」と手を合わせ食べ始めた。


味噌汁をひとくち口に含むと、次は納豆をかき混ぜ始めた。


智「卵は?」


翔「ちょうだい。」


俺は冷蔵庫から卵を一個取って、翔に手渡した。

翔は卵を納豆の器のかどでコツンと当てて、割り入れた。

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