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果てない空の向こう側【ARS】

第1章 五十嵐家の朝

雅「翔兄は朝からよく食べるね。」


そう言いながら台所に入って来たのは、三男の雅紀。


智「雅紀、おはよ。」


雅「おはよ、智兄、翔兄。」


翔「おはよ。」


雅紀は、自分で味噌汁と飯をよそうと席に着いた。


雅「いただきます。」


雅紀は、切り干し大根を飯の上にのせると、ガツガツと食べ始めた。


翔「お前もガッツリ食うじゃん。」


雅「俺の仕事は体力勝負だからね。食わないと持たないよ。」


雅紀は味噌汁をずずっとすすると、めかぶのパックを開けた。


智「店、忙しいのか?」


雅「まあね。この前テレビのグルメ番組に取り上げられてから、お客さん増えてさ。」


翔「あぁ、あの中華料理特集の番組?」


雅「そう。人気の男性アイドルが取材に来たから、そのファンの女の子が続々と。」

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