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果てない空の向こう側【ARS】

第5章 三男・雅紀(中華料理店コック)

ここは地元では有名なデートスポットで、駐車場から街の夜景が見える。


俺たちは、車の中でしばらく話をした。


だんだんいい雰囲気になって、ミッチャンを抱き寄せようと肩に手をまわした。


ミッチャンもそれに応えようとシートから背中を浮かせた。


その時、シートに何やらはさまっているのが見えた。


取り上げてみると、一粒の昆布飴。


母さんだ。


母さんが昼の買い物の時に、シートに落としたんだ。


俺はがっくり来た。


完全に気がそがれた。


ミ「雅紀くん、どうしたの?」


ミッチャンが不思議そうに俺の顔をのぞいた。


雅「送って行くよ。」


俺はミッチャンにチュッとキスをして、公園の駐車場を出た。

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