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果てない空の向こう側【ARS】

第6章 五男・潤(美容師)

山口さんがそう言うと、セーラー服のお客様はパッと顔を明るくした。


高校生「ありがとうございます!」


山口さんが俺の耳元で言った。


山「修学旅行生だよ。」


俺は、正直山口さんの人の良さにあきれた。


ただでさえ予約で埋まってるのに、飛び込みの、しかもおのぼりさんの高校生の客をとるなんて。


セーラー服のお客様にはしばらく待ってもらい、シャンプー台に案内した。


お客様はガチガチに緊張している様子で、俺に頭を預けてくれない。


潤「首、楽にしてね。」


高校生「は、はいっ。」


返事はするけど、やはり全然頭を預けない。


首の筋、違えるぞ。


俺はあきらめて、そのままシャンプーを続けた。

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