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果てない空の向こう側【ARS】

第6章 五男・潤(美容師)

お客様が要望したのは、ストレートのセミロング。


前髪を斜めに流すスタイルだ。


山口さんはにこやかに話をしながらハサミを進めていく。


山「五十嵐くん、ブローお願いします。」


カットが終わると、俺が呼ばれた。


セットのポイントをいくつか伝えて、山口さんは次のお客様のところに行った。


潤「失礼します。」


俺は、ドライヤーとブラシ片手にセットを開始した。


その時、お客様のお腹が鳴った。


高校生「あっ!」


お客様は真っ赤になってお腹をおさえた。


でも、お腹は容赦なくグーグー鳴った。


高校生「あ、あの…。お昼御飯食べてなくて…。」


時計を見ると、とうに昼時は過ぎている。


潤「ひょっとして…。」


お客様は恥ずかしそうにうなづいた。


高校生「修学旅行の自由行動ぶっちしてここに来たから、お昼食べてないんです…。」

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