テキストサイズ

果てない空の向こう側【ARS】

第6章 五男・潤(美容師)

潤「何で? 友達と買い物したりお昼御飯たべたりしないの?」


俺は驚いた。


有名美容院に行ってみたい気持ちはわかるが、修学旅行なら友達と遊ぶ方が楽しいんじゃないのか?


高校生「明日は、ディズニーに行くんです。その時、告白するから…。」


お客様は、湯気が出そうなほど赤くなりながら、小さな声で教えてくれた。


高校生「できるだけかわいくなって、告白したいから…。彼、マイちゃんの大ファンなんです…。」


山口さんがこのお客様を無理矢理にでも受けた訳がわかった。


細かい事情は知らなくても、このお客様が本当に「かわいくなりたい」という気持ちが伝わったのだろう。


潤「……、わかったよ。もう一度スマホを見せてくれる?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ