ディアブロ☆~共同生活約150日~
第18章 気持ち
―コンコンッ。
「陽菜ちゃん。」
『奏太くん?どうぞ。』
鍵の無い私の部屋のドアを
自ら開いて奏太くんが来た。
そのまま奏太くんは
私のベッドに腰掛けた。
『台本読みの相手
私なんかで良かったんですか?』
「あぁ。ただセリフ覚えるために
読むだけだから大丈夫だよ。
こっち来て。」
奏太くんは自分の隣を
手でポンと叩き私を呼んだ。
私も少し離れた場所に
奏太くんと並んで座った。
「そっちじゃ台本見えないでしょ?」
『え…私の分は台本無いんですか?』
「うん、一冊だけ。
このページの…ここからお願い。」
『ちょっ…。』
奏太くんは私の腰を引き寄せ
隣にぴったりつけた。
(奏太くん…近いよ…。)
「登場人物は2人だけだから
俺の台詞じゃないところ読んでくれる?」
『あっ…はい…。』
(奏太くん…手触れたままだよ。
でも、気にしてないのかな?
何もされないよね…?)
少しドキドキしたまま
私は奏太くんの台本読みを手伝った。