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ディアブロ☆~共同生活約150日~

第20章 過労


『逞くん…。』






私はベッドの横に座り

逞くんの寝顔を覗いた。








(くまがすごい…きっと色々悩んで

寝れなかったんだろうな。)








そう考えると、私は無意識のうちに

逞くんの左手を握っていた。








(逞くん。あまり抱え込まないで…。)













それから何時間経っただろうか。





私は逞くんの手を握ったまま

うとうとしているうちに眠ってしまった。















「おい。…陽菜!」



『ふぇ…。』








(あ…私、眠ってたみたい。)








『って!逞くん!起きたの!?』



「あぁ…てかなんで俺…ここどこ?」



『逞くんリビングで急に意識無くなって

救急車で病院に運ばれたんだよ!

良かった…目が覚めてくれて良かった…。』



「おいおい!泣くなよバカ!」









私は逞くんの意識が戻った安堵で

自然と涙がこぼれていた。








「つか今何日の何時?」



『あ!えっと…。』










私が時計に目をやると

逞くんが運ばれてから

6時間が経っていた。










「お前、ずっといたの?」



『はい…だって心配だったから…。』



「そっか。

…もう帰れよ。

みんなの朝ごはん作らなきゃなんないだろ。

てか…いい加減手離せ。」



『あ!…ごめんなさい。』









私は恥ずかしさで

いつの間にか握っていた手を

とっさに引っ込めた。









『私、多田さんに逞くんが起きたら

連絡するように言われてたから

そろそろ行きますね!

病院で朝食出ますから!

そのあと先生が検査にくるみたいです!』







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