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ディアブロ☆~共同生活約150日~

第20章 過労


―コンコンッ。







「はぁい。」



『須藤です!』









私が扉を開けると

点滴をつないだ逞くんが

ベッドに座っていた。








「荷物…水輝が持って来てくれた。」



『あぁ、さっき外で会いました。』



「そっか。…つかお前さぁ!

朝食出るっつったよな?」



『えっ!はい。出なかったんですか?

…ん??』








逞くんがそう言って

指指した方を見ると

「断食」という札がかかっていた。







「この通り俺はとりあえず

明日の昼まで絶食だ。」



『えっ…。』







私は持っていたバッグを

とっさに押さえた。









「もしかして…果物ならいいかなぁ

と思って持って来たんじゃないだろうな?」



『そ…その通りです。』



「ったく…。ちゃんと医者の

話聞いておけよな!」



『ごめんなさい。』








その瞬間逞くんの顔に笑顔が零れ

私は少しほっとしていた。









「とにかく早く治して

抜けてた穴埋めなきゃなんないからな。

黙っておとなしくしておくよ。」



『はい。

…あんまり無理しないでくださいね。』



「うん、サンキュー。」










それから2人きりの空間には

沈黙が流れて

逞くんが先に

小さく言葉を発した。








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