テキストサイズ

隣人は狼系男子っ!

第1章 だって!ずっと好きだったんだもん!

――あの時もっと友達の言葉を真剣に聞いていたら……!

でもさでもさ、好きな人のことを信じちゃうのって仕方ないじゃん。そういうもんじゃん。

けど、思い返せば他にも思い当たるふしがあったのに、どうして気づかなかったんだろ!――

今更ながら、ひなのは自分を責めた。

けど、光太の浮気を疑って真実を追求したら振られるかもしれない。

それが怖くて、自分の中で「わたしたちはラブラブ」と思い込むようにしていた。

だから何か疑わしいことがあっても、自分の都合のいいように解釈して、見極めなくてはいけないところから目をそらしてきた。


ひなのの初めての恋愛。

それは恋愛経験が薄く、臆病な恋愛による悲劇、むしろ喜劇だったのかもしれない。

――バカだったな、わたし……

冷静に自己分析ができるようになって、ようやく涙がポロポロとこぼれてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ