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隣人は狼系男子っ!

第1章 だって!ずっと好きだったんだもん!

「いや、そういうのいいから。お前はバレてないと思ってるかもしれねぇけど、わかるんだよ。あんま濡れてねぇし喘ぎ方が不自然で演技バレバレ」

「……っ」

「ただベッドに寝転がってそれで終わり。フェラもしてくんねぇし。つまんねぇ」

次々と吐き出される、愛しい人からの暴言にひなのはただ呆然とするしかなかった。

――わたしは、ただ単に光太君のことが好きで、彼が望むことをしてきたつもりだったのに。それが間違いだったのかな?

あまりのできごとに、思考が停止しそうになる。

――けど、ここで黙っていたら光太君にこのまま振られちゃう! それだけはダメ……!

思考を停止してる場合でないと、勇気を振り絞り、取り繕う。

「こ、光太君……ごめんね。わたし光太君がそんなふうに思ってるだなんて全然気づかなくて。悪いところは直すように……」

ひなのの言葉を待たず、光太は、

「いや、いいって」

と、めんどくさそうに視線だけをひなのに向ける。

それは、完全に冷えきっていた。

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