方位磁石の指す方向。
第7章 scene 6
「あっ!」
「ん?どうした?」
「リップクリームと
ハンドクリーム買うの忘れたっ!」
「…あ、二宮ごめん」
翔さんがぺろっと舌を出して
言うもんだから…。
仕方ない仕方ない。
「ね、なに飲む?」
「炭酸以外」
「炭酸苦手?」
「んー、まぁ…」
「じゃあなにが好き?」
「…ストレートティー」
「そんな洒落たもんねえよ笑」
ははって翔さんが笑う。
だから俺もニコニコしていた。
「俺も行くっ」
「ん?」
「え?だって飲み物…」
「聞いただけ〜♪」
「んなっ!!」
「ふはは」
翔さんが嘘だよって俺の頭を
優しく撫でた。
「ストレートティーないから
麦茶でいい?」
「うん、いいよ」
「あ、スポドリもあるよ」
「やだ。甘いから」
「じゃあキスできないね」
「へっ!?なんで!?」
「俺、スポドリ飲むから」
「っ…!キスはっ、別にいい!」
「…っふふ、そう?」
なんて言いながら
翔さんが俺にキスをした。
…なんか。
ドキドキされっぱなしだ。
俺だって翔さんを
ドキドキさせたい。