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方位磁石の指す方向。

第7章 scene 6

二宮side



「…はぁ、」


お風呂に浸かって
溜め息をつく。

…どうしたら、…どうしたらいいのかな。

どうしたらもっと、
翔さんに近付けるんだろう。

…俺が素直になればいいのか?


いやでも、それは無理…。

じゃあ他には…?


うーんうーんって
唸りながら考えるけど
出てこないんだよなぁ…。

…どうすりゃいいんかな。


「…智に聞いて見るかぁ。」


だってアイツも相葉さんと
付き合ってんだから。

髪の毛をタオルで拭きながら
智の部屋に入ろうとすれば。


…話し声が、した。


…多分、相葉さん。


……むー…。

今はだめってか。

お預けくらった犬みたいに、
ベッドで不貞腐れてた。


…そういや、翔さんのベッド、
すごいいい匂いしたんだよなぁ。

男子特有と匂いと、
翔さんそのものの匂い。

…あのベッドで俺、キスしたんだよなぁ。



……恥ずかしい。

考えて恥ずかしくなってきた。


…キスだけじゃ、近付けない?

でも、そういう行為は翔さんが
望んでないから…

…じゃあどうしろと?


デート?…ううん。
翔さんに休みがまずないしー…。
人混み嫌いって言ってたしなぁ。


あーもう、わっかんないよー…。

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