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方位磁石の指す方向。

第7章 scene 6

櫻井side



「翔さんのも、気持ちよくしてあげる…」

「まっ…やめっ…」


自身を握り込まれて、
先端にキスを落とされて、
柔らかい唇に包み込まれた。


「くっ、ぁ、」


未知の快感。


そう表すのが今は精一杯だ。


柔らかい唇に、
温かい口内。

じわじわと迫る快感に
どうしようもなくされるがままで。


「は、ぁ、あっ」

「んふふ、翔さんが喘いでる…
もっと気持ちくさせてあげるから…」

「っ、やめっ…」


やめろ、という前に、
二宮の口の動きが早くなる。

卑猥な水音が俺の鼓膜さえも
二宮の色に染めようとしている。



ダメだダメだダメだ。

まだダメだ。


「二宮っ、もうっ…」

「んっ、んん、」


嘔吐きながらもしてくれる
健気な二宮の姿が愛おしくて。


「はっ、くぁ、も…はなせっ」


二宮の肩を押して、
無理矢理離した。

その勢いで、二宮にキスをした。



二宮の口の端からだらしなく垂れる
二宮の涎と俺の汁。


そんな蕩けた表情に
鼓動が速くなる。


「もっと、気持ちいこと、しよっか…」

「…へ?や、まっ…」


うるさい口は手で覆い
二宮をうつ伏せにさせて
太股の間に自身を滑り込ませた。

すべすべな肌に思わず
吐息が漏れる。



腰をゆっくり動かせば、
二宮自身と俺自身が擦れ合って。


「────…っ!!」


声にならないほどの快感が
二宮に押し掛けたようだ。


覆っていた手を離せば、
二宮の口からは甘くて蕩けるような声が
ひっきりなしに響いていた。

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