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方位磁石の指す方向。

第7章 scene 6






「…ぅあっ、───…っ…!」


びくんっと二宮の体が
一層大きく跳ねて、
今までにないくらいの波が
俺にも押し掛けた。


「もーちょっとだけ…我慢、しててっ…」

「ぁ、あっ…も、むりぃ…っ」


二宮の方を見れば、
ぎゅっと俺の枕を抱き寄せて、
必死に快感を逃してた。


キモチイイコト


にトリコになりそうなくらい
俺たちはその行為に没頭してたんだ。






行為が終わったあとは、
お互いの体をティッシュで無言で拭いた。

なにを話せばいいのか
俺にはよくわからない。


「……あの、」

そんな沈黙を破ったのは
二宮だった。


「…翔さん、気持ち、よかった…?」

「っ、あぁ、気持ちよかったよ」


俺がそういえば、
ほっとしたような顔をして。


「よかったぁ…」


って今までにないくらい
ふにゃっとした可愛い笑顔を
俺に向けてくれたんだ。


「…二宮も、気持ち…よかった?」

「…うん、だって大好きな人と
したんだもん。」


…きゅん、

と胸に矢が指さった気がした。


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