方位磁石の指す方向。
第9章 scene 8
体が揺れるのと、
自分の口から漏れる甘い声に
俺ってほんと女子みたいだな。
なんて我ながら思う。
「んっ、ひゃっ…」
何度されても、
まだこの行為には慣れない。
むしろ、慣れる日は来るのだろうか?
うつ伏せになったまま、
翔さんの体温を感じて、
思わず頬が緩んだ。
「…動くよ?いい?」
「ん、大丈夫…。」
翔さんのが擦れた瞬間、
快感がじわじわと俺を襲う。
声を抑えることもできず、
自分の声が恥ずかしくなった。
「はぁっ、んっあぁっ…」
恥ずかしいのに、
止まらない。
溢れ出る声が、
隣まで聞こえるんじゃないかってくらい、
俺は大きな声を出してたと思う。
「二宮、こっち、向いてっ…」
「んぁっ…」
顔だけ向ければ、
ちゅ、と舌を吸われて、
深いキスをされる。
ぴくん、と翔さんの肩が
動いたと思えば、
腰の動きは速まって。
「ぁ、もぅ、むりっ…」
「ん、一緒に、イこ…?」
ぐるっと体を反転させられ、
翔さんの手に握り込まれる。
汗ばんだ手と、
自身から溢れ出る蜜のおかげか、
動きはいつもよりスムーズだった。
…それくらい、
感じてるってことで、
途端、恥ずかしくなった。