
方位磁石の指す方向。
第10章 scene 9
ギシ、とベッドの軋む音。
頬に手を添えて、
キスをしてあげれば
赤い頬がまた色付く。
「んっ…んん、」
啄むようなキスを何回もして、
するり、と体全体を優しく撫でる。
その度に、身を捩って
声を抑えてる姿を見ると、
感じてくれてる。
なんて自惚れる。
「…二宮、気持ちい?」
「ん、ぅんっ…」
そろそろ、と思い、
二宮自身に優しく触れる。
「っ…しょ…」
「…いい?」
俺が確かめるように
二宮を真っ直ぐ見つめると。
少しだけ躊躇い、
でもすぐに頷いてくれた。
人のなんて、初めて触る。
増してや、二宮のだなんて。
そう思うだけで、
手汗が半端ない。
「ぁっ、…うぁっ…」
びく、と太股が震えて、
口を手で覆っている。
…もっと、見たい。
そう思って、
ちゅ、と先端に口付けた。
「ぅあっ。…だ、ダメだよっ…」
「なんで?」
「も、出ちゃ、からっ…」
やだやだと首を振り、
俺の頭を押してるけど。
その手には力なんて入ってなくて、
押し返すことなんて
できていない。
