方位磁石の指す方向。
第14章 scene 13
嫉妬とか、恥ずかしいし、
知られたくないけど。
でも、でも…
見たく、なかったんだ。
「…好き。」
「うん、俺も好きだから安心して。」
知ってるよ。
知ってるけど、不安になるの。
なんでだろう。
信頼してるし、わかってるのに。
こんなに不安になって、
切なくなるのは翔さんだけ。
「……わかってるけど。」
「うん?」
「…わかってるのに、ごめん…。」
「謝ることないって。
…ほら、楽しもうよ。
今日は楽しい日なんだからさ?」
指を絡ませてきて、
微笑んでくれた。
それだけで、すごい嬉しいんだ。
それだけで、俺だって笑顔になれる。
…愛してるんだ。俺。
翔さんのこと、
すっごい好きなんだ。
「…うん、ありがと。」
だから、ねえ。
もっと俺のこと好きって
言って欲しいよ。