方位磁石の指す方向。
第15章 scene 14
熱い、熱い二宮の体。
何度触れても、
何度欲望をぶつけても。
足りないんだ。二宮が。
「ぁっ、ぅあ、あっ…」
俺の下で苦しそうに喘ぐ二宮が、
「はっぁ、あ、しょ、おっ…」
愛おしそうに俺の名前を呼ぶ二宮が、
「ぅ、ぁ…ぁんっ」
快感に身を委ねた蕩けた二宮が。
ひとつひとつの顔が、声が、
どうしてこんなに愛おしいんだろう。
辛いのは、二宮なのに。
受け入れてくれているのは、二宮なのに。
「ごめっ…」
涙が、止まらないんだ。
二宮の綺麗な素肌に、
ポタポタと涙が零れ落ちた。
そんなことも気にせずに、
二宮はただひたすら嬌声をあげた。
「ぁ、あっ、も、イクっ…」
ぎゅ、と中が締まり、
二宮の顔がより一層歪む。
「一緒に、イこ、」
「ぁんっ、はぁ、あっ…」
びく、と大きく跳ねてから
二宮の中に欲を吐き出した。
二宮も少し遅れて
小さな声を上げた。
はぁはぁと荒い息遣いだけが響いて、
何もする気力がなくなる。
二宮の体の上に、
重なるようにして倒れ込んだ。