方位磁石の指す方向。
第16章 scene 15
何度も揺さぶられて、
何度もキスをされて、
何度も愛された。
壊れてしまいそうなくらい、
翔さんは俺の奥まで愛した。
「ああっ、も、だめっ…」
翔さんは俺をいっそう強く抱き締め、
腰を動かした。
生理的な涙が溢れて、
シーツを濡らした。
指に絡んだ翔さんの指が、
ゆっくりと離れた。
動揺して翔さんを見上げれば、
愛おしそうに俺の体を撫でた。
その間も俺の声は止まらない。
「はっ、ぁ…」
翔さんの低く掠れた声が
耳元で聞こえた。
耳まで犯されているような気がして、
ぎゅっと目を瞑った。
何も考えたくない。
今はただ、愛されたい。
もっともっと、
骨の髄まで愛して欲しい。
「あっ、あぁ、もう…っ」
「おれも、やばい、」
翔さんにしがみついて
小さく声を上げたあと爆ぜた。
翔さんは俺が登り詰めたあと、
少し遅れて俺のお腹に白濁を散らした。