方位磁石の指す方向。
第5章 scene 5
二宮side
次の日の朝は、
目の下にクマができてて。
翔さんのせいだ…
「和也、か、」
呼ばれたわけじゃない。
そう書かれてただけ。
なのに。
昨日は体が火照って
眠れなかったんだ。
「…智、はいないし…」
もうすぐ文化祭が有るから
実行委員の智は朝練のある
相葉さんや翔さん、潤くんと
一緒に登校してる。
何も無い俺はいつも1人で
登校していた。
いやだって、さ。
なんもないのに
そんなに早く行ったって、
することないわけ。
1人で虚しい気持ちになんて
なりたくないんだって。
「…おばさん、おはよう。」
「和くん、おはよう。
今日のお味噌汁は
昆布だしにしてみたんだけど…
どうかしら?」
「ははっ、おばさんの料理は
いつも美味しいから
大丈夫だよ。
お弁当も美味しいし。」
「あら、和くんは
素直で嬉しいわ。
智なんて何も
言ってくれないんだから。」
俺は、素直になれない。
だって…だって。
どうやったって、
翔さんの前じゃ素直になんか
なれやしないんだ。
次の日の朝は、
目の下にクマができてて。
翔さんのせいだ…
「和也、か、」
呼ばれたわけじゃない。
そう書かれてただけ。
なのに。
昨日は体が火照って
眠れなかったんだ。
「…智、はいないし…」
もうすぐ文化祭が有るから
実行委員の智は朝練のある
相葉さんや翔さん、潤くんと
一緒に登校してる。
何も無い俺はいつも1人で
登校していた。
いやだって、さ。
なんもないのに
そんなに早く行ったって、
することないわけ。
1人で虚しい気持ちになんて
なりたくないんだって。
「…おばさん、おはよう。」
「和くん、おはよう。
今日のお味噌汁は
昆布だしにしてみたんだけど…
どうかしら?」
「ははっ、おばさんの料理は
いつも美味しいから
大丈夫だよ。
お弁当も美味しいし。」
「あら、和くんは
素直で嬉しいわ。
智なんて何も
言ってくれないんだから。」
俺は、素直になれない。
だって…だって。
どうやったって、
翔さんの前じゃ素直になんか
なれやしないんだ。