
おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)
第1章 Lost virgin
浴室から坂内部長がシャワーを浴びる音が聞こえてくる。
(ああ、とうとうアタシも"女"になる日が来たんだ。)
そう思うと、心臓がバクバクと暴れ始める。緊張からか喉が渇き、アタシは冷蔵庫を開けて中を覗くと一本の缶を手にした。アルコールに弱いアタシは、アルコールが入っていな事を確認した。プルトップを起こすと、"プシュッ"と言う、二酸化炭素が飲み口から漏れる音がする。アタシは食事中に飲んだ、身体の中のアルコールを薄める様に、それをゴクゴクと喉を鳴らして半分くらいまで一気に飲み干した。
「ふぅー……」
思わず溜息が零れたのは、一気に身体が潤った安堵なのか、気持ちが落ち着いたからなのか。気持ちは落ち着いたけれど、手持ち無沙汰で余計な事をあれこれ考えてしまう。
さっき目にした坂内部長の引き締まった身体。お父さんの出っ張ったお腹や絞まりのない腕とは違っていて。あの腕に抱き締められたのかと思うと、ドキドキと跳ねる心臓。
別々にシャワーを浴びるとなると、アタシもここで服を脱がなきゃいけないんだよね? そうなると、部長が見ている前でって事!? 恥ずかしいよ。どうしよう。浴室で服を脱いだら、濡れてしまうだろうし。一体どうすれば!?
そんな事を考えて、アタシが導き出した答えは、「服を脱いでおく」事だった。
