
おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)
第2章 衝撃のショッピング・デート
アタシが坂内部長の顔を見上げると、部長は「彼女とは幼馴染なんだよ」と言った。「そうか、幼馴染なんだ」とちょっとホッとするアタシ。まあ、頼子さんは女の人が好きだし、変に勘ぐる必要もないのだけれど。そう思っていたら、頼子さんの口から爆弾が落とされた!
「幼馴染で、元夫婦よ」
(なっ!? 何ですとー!?)
えっ!? 「元夫婦」って事は? 部長の元奥さんが頼子さんで、頼子さんの元旦那様が坂内部長で、幼馴染で!? 頼子さんの爆弾に、アタシの頭の中はぐちゃぐちゃになった。そんなアタシを余所に、二人の会話は弾んでいた。
「相変わらず暇そうだなぁ……」
部長は店内を見回すと、溜息を吐きながらそう言った。頼子さんはその言葉に、ふふんと鼻を鳴らしながら胸を張って言葉を返す。
「いいのよ。ウチは一般のお客様で成り立っているお店じゃあないもの」
「まあ、君はやり手だから、心配はしていないけどね」
坂内部長は、ハンガーラックに吊るされた洋服を手に取って見ながら、頼子さんの言葉にそう返した。
「そりゃあ、どうも。ところで何で龍弥と珠子ちゃんが一緒なの?」
「ああ、実は彼女と付き合う事にしたから。その報告も兼ねて来たんだ」
部長は一着のスーツを手に取ると、固まっているアタシにその洋服を当てながら、頼子さんとの会話を続けている。
