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おもちゃのCHU-CHU-CHU★(坂内龍弥 ルート)

第2章 衝撃のショッピング・デート


 運ばれてきた料理を食べ、腹ごなしが終わると、今日の目的であるショッピングへと向かう。部長は、人ごみを嫌うアタシを気遣って、人気の少ない裏通りを選んで歩く。部長はさりげなくアタシが建物側になるように歩き、危険から遠ざけようとしてくれた。

 「何処へ行くんですか?」とアタシが尋ねると、坂内部長の知り合いのセレクトショップへ行くと言う。セレクトショップと聞いて、アタシの脳内には頼子さんが浮かんだけど、頼子さんのお店は会社の傍だから、これから行くところは違うんだなと思った。けれど、着いてお店の扉を開けてみると、奥から出て来たのは頼子さんだった。

 「えっ!? 頼子さんが何でここに!?」

 「あら! 珠子ちゃんじゃない。久し振りねぇ」

 そう言ってニコニコしながら、頼子さんが近寄って来る。坂内部長の知り合いって頼子さんなの? 頼子さんて山岡さんとも知り合いだったよね? 一体、頼子さんて何者なのーっ!?

 「頼子、久し振りだね」

 坂内部長が頼子さんに声を掛けると、頼子さんは驚いた顔をして、「あら、いたの?」と言った。頼子さんの対応に、坂内部長は苦笑しながら、「折角、お客さんを連れてきたのに、酷いなぁ」と言って頬を指先でポリポリと掻く。

 その横で、アタシは二人の顔を見比べながら、どう言う関係なのだろうかと頭を捻るのだった。

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